• X
  • facebook
  • line

楢葉、避難指示解除から丸9年 移住定住策に力、復興促進

09/05 11:55

「農業、教育、健康増進・スポーツ振興の3本柱で進めていく」と松本町長

 楢葉町は5日、東京電力福島第1原発事故による全町での避難指示が2015年に解除されてから丸9年を迎えた。帰還者を含めた町内居住者数は7月末現在で4439人、住民基本台帳人口に対する居住率は約69%で、町は暮らしやすいまちづくりや魅力発信などを通した移住定住策に力を入れる。松本幸英町長は「ハード面の整備は落ち着いており、ソフト面の充実を図っている。農業、教育、健康増進・スポーツ振興の3本柱で町政振興を進めていく」と復興促進を誓う。


 【松本幸英町長に聞く】6次化商品の販路拡大

 ━町の現状は。
 「農業は稲作とサツマイモに注力し一定の道筋ができた。特産品のユズやサツマイモなどの6次化商品の開発や販路拡大を進めたい。教育面では町独自の特色ある教育を実践しており、子どもの数が増加している。健康増進策や、Jヴィレッジや各種スポーツ施設を通したスポーツ振興にも取り組みたい」

 ━町内の居住者増加に向けた取り組みは。
 「震災から13年が過ぎ、避難先で生活が落ち着いた町民が帰還するのは難しい面がある。一方で移住者や定住者を増やすことはできる。移住・定住促進や交流人口拡大に向け、町の魅力発信に努めたい。地域住民と転入者の関わりをより一層深め、若者や子育て世代が住みやすいまちづくりを展開する」

 ━産業振興の方策は。
 「商工業者の支援はもちろんだが、東京電力福島第2原発の廃炉作業に注目している。町内事業者が発起人となって設立した事業協同組合廃炉共生カンパニーを核に、廃炉関連産業への地元事業者参入を支援する。新規立地企業や、新たな雇用創出にも努めていく」

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line