東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興の現状を学ぶため、大東文化大の被災地研修が行われている。13年が過ぎた浜通りの現状を見聞きし、本県への正しい理解の促進と情報発信につなげる。5日は第1原発を訪れ、廃炉の現場を目の当たりにした。
2020年に福島民友新聞社と大東大が結んだ包括的な連携協定に基づき実施。4回目の今回は、法学部政治学科を中心に2~4年の学生と武田知己政治学科教授(伊達市出身)ら12人が参加した。
5日は溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出し作業がミスで中断している第1原発2号機建屋を見たほか、処理水の海洋放出について理解を深めた。新潟県出身で文学部2年の松橋夏実さん(20)は「新潟にも東電の柏崎刈羽原発があり、わがことと思い研修に参加した。廃炉の工程は気が遠くなるほど長期にわたり、まだまだ先が長いことを実感した」と話した。
この後、福島の復興と環境問題に関して遠藤祐二福島民友新聞社販売局次長の講話を聞いた。
4日は浪江町の震災遺構請戸小や県の震災・原子力災害伝承館を視察した。また、木野正登経済産業省廃炉・汚染水・処理水対策官、国分利也福島民友新聞社ふたば支社長から、被災地の実情を聞いた。
最終日の6日は中間貯蔵施設や大熊町の帰還困難区域などを視察する。