福島県浪江町高瀬地区の町営高瀬野球場で進められてきた復旧工事が完了し、11日に現地で完成式が行われた。関係者が町のスポーツ振興や健康づくりの拠点の再開を祝った。完成を記念して町スポーツ協会野球部長杯(盆野球大会)が開かれ、選手が古里ではつらつとプレーした。
町内では東日本大震災前まで野球が盛んで、高瀬野球場では少年野球から学生野球、草野球まで数々の名勝負が繰り広げられた。しかし、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴う住民避難で施設が損傷したため、使えない状況が続いていた。
町民にとって思い出深い場所だったことから、町は2022年度から復旧に取り組んできた。事業費は約1億3300万円。
完成式で吉田栄光町長は「交流人口拡大に向けて近隣施設との連携を視野に高瀬野球場を活用していく」と述べ、関係者と共にテープカットした。完成を祝うセレモニアルピッチが行われ、なみえ創成中3年の松本玲夢(りむ)さんが投球した。
盆野球大会には4チーム67選手が出場し、エグリ屋が優勝した。