• X
  • facebook
  • line

軽量で柔軟、次世代太陽電池実用化へ 福島県内に年度内先行設置

09/11 11:15

 政府と福島県は10日、従来の太陽光パネルと比べて軽量で柔軟性のある次世代技術の「ペロブスカイト太陽電池」の実用化に向け、国内で先行して本年度中にJヴィレッジとあづま総合運動公園(福島市)、県立博物館(会津若松市)の3カ所に設置し、実証事業を計画していると公表した。来年度は県内の公共性の高い施設へのモデル的な設置をさらに進める方針だ。

 政府が県や電力会社などとつくる福島新エネ社会構想実現会議を福島市で開き、方針を盛り込んだ改定・福島新エネ社会構想加速化プランを決定した。2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指す政府は、ペロブスカイト太陽電池が課題解決につながるとして注目している。

 同太陽電池は発電効率や耐久性が課題で、Jヴィレッジでは円すい形の芝生に設置して地面や湾曲形状での利用状況を確かめる。実証により、高速道路脇の斜面などが活用場所として検討できるようになるという。

 水素供給技術確立へ実証実験

 本格的な水素の供給開始に向けては、需要と供給の両面から費用などの課題解決策の検討を進める。「福島水素エネルギー研究フィールド」(浪江町)は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が運営し、来年度末まで水素の製造・供給技術を確立するための実証実験を行っている。26年度以降は民間で運営して商用運転する方法と、NEDOなどの研究機関が新たなテーマで研究を進める可能性を含めて議論が進んでいるという。

 また、5月に成立した水素社会推進法では、水素などの普及に向けて化石燃料との価格差補助制度などの創設が盛り込まれている。制度を利用するには今後、水素の製造側と使用側で計画を作り、国に提出する必要がある。政府によると、本県でも計画作りが検討されている状況という。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line