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日銀「持ち直しペース鈍化」 県内景気判断、4カ月連続据え置き

09/14 08:50

 日銀福島支店は13日発表した9月分の県金融経済概況で、県内景気の総括判断について、4カ月連続で「緩やかな持ち直しを続けているものの、ペースは鈍化している」とし、判断を据え置いた。物価高への懸念は続いているが、消費の回復自体は継続している。

 項目別では、住宅投資の判断を上方修正した。持ち家や分譲住宅は伸び悩んでいるが、貸家の着工件数が前年を上回っている。住宅価格は高止まりしているが、賃上げで購入意欲が押し上げられるなど明るい兆しも見られる。

 個人消費は、7月の主要小売業販売額が前年比2.6%減で、2021年11月以来の前年割れとなった。物価高による節約志向の高まりが見られているが、消費が腰折れしているわけではなく、8月は改善傾向となる見通し。昨年の猛暑による影響で収穫量が減少したコメは価格が上昇し、売上高も増加した。

 7月の福島市の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は2.2%。倒産件数は昨年よりも早いペースで増加している。福島支店で記者会見した中嶋基晴支店長は「価格転嫁は進んでいるが、事業環境が厳しい企業は一定数ある。今後も影響の拡大を注視する必要がある」との認識を示した。

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