復興へ14年目の実り 浪江・津島地区、震災後初の稲刈り

10/01 10:40

手刈りで「里山のつぶ」を刈り取る地域住民ら

 福島県浪江町は30日、特定復興再生拠点区域(復興拠点)の津島地区の田んぼで、試験栽培していたコメの稲刈りを行った。同地区での稲刈りは震災後初めてで、土地の保全や耕作に取り組んできた津島復興組合のメンバーらが大地の恵みに地域の再生を感じ取っていた。

 津島地区の復興拠点は、東京電力福島第1原発事故による避難指示が昨年3月に解除されたが、コメの出荷は制限されている。稲刈りは「里山のつぶ」を作付けした約8アールの水田で行われ、復興組合の副組合長の菅野雄造さん(66)は「実りはいい。毎年続けることで栽培の仕方を調整していきたい」と語った。

 試験栽培は作付け制限を解除するために必要な手続きで、安全性を確認しながら地区と町が協議し、政府に解除を要望する。津島地区では、安全性を確認した上で2026年の作付け制限解除を目指している。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line