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重複認めぬ方針、困惑や反発 福島県内の自民各陣営、政治生命左右

10/08 08:15

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で収支報告書に不記載があった議員の比例代表への重複立候補を認めない党の新たな方針について、衆院選の準備を急ぐ福島県内各陣営は7日、対応に追われた。新方針は対象議員の政治生命を左右しかねず、関係者からは困惑や反発の声が上がった。

 県内では、福島3区に立候補を予定する菅家一郎氏(69)=4期=が党役職停止6カ月の処分、福島1区の亀岡偉民氏(69)=5期、比例東北ブロックの上杉謙太郎氏(49)=2期=が幹事長注意を受けた。関係者によると、菅家氏は非公認になる可能性もある。

 現有5議席の維持を目指す県連は同日、3人を含む計5人を比例名簿に記載するよう党本部に申請した。矢吹貢一県連幹事長は報道陣の取材に「報道以上の情報がない」と困惑し、「比例重複ができないことは候補者にとって大きなマイナスだ」と語った。

 菅家氏は国会内で取材に「コメントは差し控える」と述べるにとどめた。支援する地方議員の一人は「最低でも比例復活はできると考えていたが、議席自体を失う可能性も出てきた」とショックを隠さない。

 一方、比例単独で出馬を予定する上杉氏は「現時点で党の対応が全く分からず、判断を待つ」と話した。

 上杉氏は小選挙区定数「10増10減」による区割り変更を受け、福島3区の候補を菅家氏に委ね、自身は比例単独候補に回った経緯がある。支持する地方議員は「もし衆院選に出られないとなればひどい話だ。党が分裂し、選挙後は『石破おろし』が始まるのではないか」と反発を強める。

 亀岡氏は直近2回の衆院選旧福島1区で比例復活しており、党規約により重複立候補が原則認められない。ある県連幹部は「(新方針で)県全体の結果がより不透明になった。復興のためには、与党の議席が必要だ」と力を込めた。

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