デンソー、絶好のスタート 本県ファンの心「わしづかみ」

10/13 11:00

ストレート勝ちで開幕戦を制し、喜び合うデンソーエアリービーズの選手たち=福島市・福島トヨタクラウンアリーナ
開幕戦を戦う選手たちに声援を送った観客たち

 新たな本拠地となる本県で絶好のスタートを切った。12日に行われたバレーボール国内最高峰の新リーグ「SVリーグ」の開幕戦で、ストレート勝ちしたデンソーエアリービーズ。愛知県西尾市から郡山市に今季から本拠地を移す選手たちがコートで躍動。駆け付けた観客たちは選手に熱い声援を送り、今後も県内で繰り広げられるトップレベルの戦いへの期待を膨らませた。

 「会場の熱気を感じ、自分も選手もわくわくした気持ちで臨めた」。試合後、辻健志監督(50)は晴れやかな表情で振り返った。本拠地移転後の初勝利に声を弾ませながら「応援が私たちの力。今後も勝利を積み重ねることで皆さんとの一体感が大きくなるのではないかと思う。その第一歩を踏み出すことができた」と観客に感謝した。

 会場には多くのファンが訪れ、大歓声に包まれる中での新リーグの初陣となったが、今後はさらなるファン獲得やチームの浸透も必要となる。川畑遥奈主将(23)は「デンソーをもっと知ってもらい、応援してもらえるように、勇気や希望を与えるようなプレーを見せていく」と飛躍を誓った。

 本県ファン「来てくれて誇らしい」

 コート内で繰り広げられた迫力あふれるプレーは、多くの県民の心をわしづかみにした。福島市の高野秀雄さん(78)は「福島にトップチームが来てくれて誇らしい。デンソーのプレーは臨場感があり、観客が全員で盛り上がることができて楽しかった」と興奮気味に語った。妻の妙子さん(77)は「福島が盛り上がる一つのきっかけになれば。これから好きな選手を見つけていきたい」と声を弾ませた。

 試合前に選手と手をつないで一緒に入場する「エスコートキッズ」の先頭を務めたのは、油井スポーツ少年団バレーボール部の遊佐七海さん(11)。「とても緊張した」と振り返ったが、堂々とした立ち振る舞いを見せた。「選手は身長も手も大きくて驚いた。試合ではアタックが強くて迫力があり、自分も速いサーブやレシーブができるようになりたい」とはにかんだ。

 今季から本拠地を愛知県西尾市から移したデンソー。昔からのファンも駆け付けた。ファン歴7~8年という愛知県の会社員浜脇祐樹さん(55)は「ホームタウンは離れてしまったが、福島を訪れるという楽しみができた。優勝を目指して頑張ってほしい」と話し、今後も精いっぱい後押しするつもりだ。

 13日のアランマーレ山形との第2戦も熱い試合展開が期待される。観戦した福島大4年の渡辺真歩さん(22)は「13日も応援に行く。2連勝を楽しみにしている」とエールを送った。

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