「美空ひばり像」お披露目 いわき・塩屋埼、ファン600人が歓声

10/18 09:15

移設除幕式を終えファンに囲まれる美空ひばり像=いわき市平薄磯

 いわき市の塩屋埼灯台に隣接する「雲雀乃苑(ひばりのその)」に京都府から移された「昭和の歌姫」美空ひばり像の移設除幕式が17日、現地で行われた。代表曲「みだれ髪」の歌碑などがある「塩屋の岬」で祈りをささげるように立つ姿に、地元住民ら出席者がいわき再生への思いを新たにした。

 150センチほどの等身大の像は、京都太秦映画村内の京都太秦美空ひばり座にあった。今春に建物の老朽化で取り壊しとなり移設先を検討していたところ、美空ひばりと縁が深い雲雀乃苑への移設が決まった。

 式典では、約600人のファンによる「ひばりちゃーん」とのかけ声で白幕が外された。胸の前で手のひらを重ねる美空ひばりの姿がお披露目されると、観衆から拍手が起こった。

 美空ひばりは、1988年10月に雲雀乃苑で予定されていたみだれ髪の歌碑の除幕式に体調不良で来られず、翌年亡くなった。美空ひばりの長男でひばりプロダクション社長の加藤和也さんは「これからおふくろにこの地を見守らせてほしいし、その姿を皆さんには見守ってほしい」と話した。

 生前親交があった歌手近藤真彦さん、テレビプロデューサーの石井ふく子さんも駆けつけ、司会はアナウンサー徳光和夫さんが務めた。近藤さんは「今度はどこにも行かないでずっとここにいてほしい」、石井さんは「ひばりさんに会いに来てお話ししてあげてください」と呼びかけた。この日は晴天に恵まれ、徳光さんは「ひばり日和」と表現。「司会者としてひばりさんのMCは最大の栄誉で勲章だ」と感慨深げに話した。

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