コメ概算金引き上げ 福島県内5JA、会津コシヒカリ2万200円

10/18 08:45

 県内5JAは、生産者に前払いする2024年産米の「生産者概算金」を改定し、主要銘柄のコシヒカリ(1等米60キロ当たり)の会津産を2万200円、中通り産と浜通り産を一律で2万円に引き上げた。コシヒカリが2万円台の水準となるのは1994年以来、30年ぶり。各JAが生産者概算金を設定する現行制度となった2015年以降では最高額となった。JA全農福島が17日、発表した。

 JA全農福島は9月、各JAが生産者に前払いする金額の基準となる24年産米の「JA概算金」を決定。コシヒカリの会津産は1万6800円、中通り産と浜通り産は1万6400円でいずれも前年と比べて4千円増額していた。

 しかし、昨年の高温障害の影響と台風接近に伴う備蓄でコメの在庫量が不足したことや、民間事業者とのコメの集荷競争が激しくなっている状況を踏まえ、5JAが生産者概算金を見直した。今回の改定で会津産は3400円、中通り産と浜通り産は3600円それぞれ上積みされた形だ。

 各JAは、ほかの主要銘柄のひとめぼれや天のつぶも引き上げたが、金額を公表していない。

 JA全農福島の担当者は「小売価格への影響は見通せない」と説明。米価の低迷で生産コストを賄えない状況が続いていたと指摘し「持続的にコメを生産していくため、生産者の所得向上と安定化が必要。25年以降も生産者が安定してコメ作りができる環境の整備が重要と考えた」と述べた。

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