メガソーラー、風力発電禁止区域の条例案 福島、市内面積の7割

10/19 09:00

 福島市が来年4月の施行を目指し、検討している大規模太陽光発電施設(メガソーラー)などの規制条例を巡り、市は18日、条例に盛り込むメガソーラーと風力発電施設を整備できない「禁止区域」の案を示した。各種法律や条例で保全や保安などが定められている区域を参考にして設定。市は後日、禁止区域の詳細をホームページで公開する。

 市が市環境審議会で明らかにした。禁止区域はメガソーラーが市内面積の約7割、風力発電施設は市内面積の約3割に及ぶ。砂防指定地や保安林、国指定史跡名勝天然記念物など、約10項目が該当する場所やエリアに設定した。

 既に着工したり稼働していたりする発電施設は、禁止区域が適用されない。ただし、禁止区域内にある発電施設は、設備の更新や縮小、撤去はできるものの、増設や拡張はできないとする文言を盛り込む方針。

 また新たに発電施設を開発する際、発電施設の維持管理、撤去にかかる費用確保を義務化する方針。加えて、維持管理の定期報告をはじめ、変更や撤去後の届け出、非常時連絡先の公表なども事業者に義務付ける。勧告や立ち入り調査に従わない場合は、措置命令を発出できるようにする考えだ。

 11月からのパブリックコメント(意見公募)を経て、来年2月の市環境審議会で、条例案を審議する方針。

 18日の市環境審議会後、審議会長を務める東北大大学院の中田俊彦教授は取材に対し「議論が白熱し、市民の思いが強いと感じた。専門家として助言していきたい」と話した。

 8月の市環境審議会では、市が規制条例の骨子案を示した。骨子案には、発電施設を設置できない禁止区域以外は設置許可制とし、許可申請手数料を徴収することなどを盛り込んだ。

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