福島県西郷村の私有地に盛り土が造成された問題を巡り、県は11日、改善命令に従わなかったとして、埼玉県幸手市の男性(68)を盛り土規制法違反の疑いで白河署に刑事告発した。同署が同日、受理した。同法での告発は全国で初めて。
県によると、昨年夏ごろから同村の私有地に土砂の搬入を始め、高さ約22メートル、約4万1千立方メートルの盛り土を造成した。県は今年3月、この私有地を含む同村全域を盛り土規制法に基づく規制区域に指定。県は6月に男性2人に改善命令を出したが、期限内に従わなかったという。2人のうち、土地所有者の男性1人が命令後に死亡したため、告発は1人のみとした。
この私有地では県が8月、行政代執行による土砂の撤去に着手。約1・5万立方メートル分の土砂の撤去を進めており、11日現在、約7割に相当する約1・1万立方メートル土砂を撤去した。高さは約22メートルから約15メートルまで低くなり、来春までに完了させる予定。