俳優の綾瀬はるかさんが命名し、福島県復興のシンボルとして親しまれてきたサクラ「はるか」の品種登録が、12月11日で抹消される見通しとなった。県によると、登録する森林研究・整備機構と個人が「より広く流通してほしい」と登録抹消を決めたという。抹消後は自由に苗木を育てることができるようになり、県も引き続き「はるか」を活用した本県復興の発信を続ける考えだ。
「はるか」は八重桜の新品種で、NHK大河ドラマ「八重の桜」に主演した縁で綾瀬さんが名付けた。品種登録は2021年5月に完了した。県は登録申請中の12年から、機構などと独占許諾契約を結ぶなどして苗木の配布や栽培を行ってきた。
県によると、配布数は県内外に1500本を超えるという。18年に本県で開催された全国植樹祭では、全都道府県や駐日外国公館にも苗木が贈られた。
登録抹消に合わせて自由に栽培が可能となることから県は、独占的に行ってきた苗木の栽培をやめる方針だが、在庫がある間は苗木配布を続ける。
ただ全国で栽培されている「はるか」の情報発信などは継続したい考えで、県は「登録抹消後も『はるか』が復興のシンボルという位置付けは変わらない。今後も情報発信などを継続していく」(森林計画課)としている。