農林水産省は19日、コメの出荷団体と卸売業者が売買する際の価格を示す「相対取引価格」で、2024年産米の10月の全銘柄平均が玄米60キロ当たり2万3820円だったと発表した。年平均で過去最高だった1993年の大凶作「平成の米騒動」を超えて高値圏が続いた。本県産米は各銘柄とも2万円を超え、確認できた08年以降で過去最高値となった。
コシヒカリ・会津産が2万6873円で最も高く、各銘柄とも23年産米と比較して7~9割上昇した。業者間取引の値上がりは店頭価格に影響する。「新米が出回れば価格は下がる」としていた政府の見通しは外れ、高止まりが続く可能性も出てきた。
農水省によると、高騰の背景には生産コストの上昇を加味して生産者の手取りの確保につなげたり、JAが生産者に前払いする「生産者概算金」が上がったりしたことが考えられる。県内でもコシヒカリ(1等米60キロ当たり)の生産者概算金が、会津産は2万200円、中通り、浜通り産は2万円に引き上げられた。
今夏のコメの品薄状況を受け業者間の集荷競争が続いたことも要因だ。農水省の担当者は「集荷競争が激しい状況にあり、相対取引価格が上がれば消費にも影響するだろう」としている。
10月の銘柄別で最も高かったのは茨城県産あきたこまちの2万8209円だった。北海道産ゆめぴりかが2万7283円で続いた。
農水省による相対取引価格の公表以前は、全国米穀取引・価格形成センターの入札結果に基づく取引価格が指標だった。