本当は話すことが好き…吃音に悩む若者、会話楽しみ接客 福島で1日限定カフェ

10/20 09:40

「注文に時間がかかるカフェ」で接客するスタッフ(左から2人目)

 発話障害の一つ、吃音(きつおん)の若者が接客するカフェが19日、福島市のまちなか交流施設ふくふるに1日限定でオープンした。店名は「注文に時間がかかるカフェ」で、話し方に悩みや不安を抱える高校生や社会人がスタッフとして接客に挑戦。来店客がドリンクを飲みながらスタッフと触れ合い、吃音への理解を深めた。 県内などの4人がスタッフとなり、席に案内した客に注文を取り、飲み物を提供した。吃音で悩んだ経験を話したりクイズを出したりして交流を深めたほか、テーブルには自己紹介カードや吃音についてまとめたオリジナルの4こま漫画を置いた。

 取り組みは、発起人で自身も吃音者である奥村安莉沙さん(32)=東京都=が全国各地で開催しており、今回で32カ所目。吃音者は全国に120万人いるとされるが、目に見えにくい障害のため社会的認知が低く、偏見や差別に苦しむ人も多い。

 奥村さんは「吃音の症状や向き合い方がそれぞれ違うことを理解してもらいたい」との願いからカフェを開催している。

 スタッフを務めた伊達市の会社員相原楽(がく)さん(24)は「本当は話すことが好きだが、迷惑がかかると思い接客業を避けてきた。お客さんと会話ができて楽しい」と笑顔を見せた。

 カフェを訪れた二本松市の主婦江尻めぐみさん(40)は自身も吃音者だが、隠してきた過去があったという。「仲間に会えて心強い。吃音を知る機会がもっと増えて、理解が広がればうれしい」と話した。

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