東京電力は28日午前、中断していた福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出し作業を約6週間ぶりに再開した。初日はデブリ取り出し装置の先端を原子炉格納容器内部に挿入。作業が順調に進んだことから、早ければ月内にもデブリに接触、回収できる可能性が出てきた。
東電によると、作業は同日午前9時8分に再開した。パイプ2本を接続して取り出し装置を6.5メートルほど格納容器側へ動かし、先端が格納容器内0.9メートルの位置にまで到達した。
東電は29日も取り出し装置の挿入を続け、押し込みに使うパイプ3本を追加で接続し、デブリの採取ができる状態まで格納容器内に押し込む予定という。デブリは装置の先端にある爪形の器具を格納容器底部に垂らし、3グラム以下を採取する。
作業が順調に進んだ場合は、早ければ数日中にも採取に着手できるとみられる。ただ、作業の中断は採取時に使用するカメラの不具合が要因で、現在も原因は特定できていないことから、順調に作業が進むかは不透明だ。
回収後のデブリは原子炉建屋内に設置した設備で放射線量や重さを測定した後、茨城県大洗町の分析機関に運び込み、本格的取り出しに備えてデブリの性状などを詳細に調べる方針だ。