【サッカーJ3第37節】福島ユナイテッドFCは17日、ホームのとうほう・みんなのスタジアムでアスルクラロ沼津に2―1で逆転勝利を収めた。2連勝で勝ち点を56に伸ばし、J2昇格プレーオフ出場圏内(3~6位)の6位を維持した。通算成績は17勝5分15敗。福島は最終節で敗れた場合でも、勝ち点差で並ぶ可能性のある7位北九州に得失点差で大きく優位に立っていることから、今節でプレーオフ進出をほぼ確実とした。福島はリーグ最終節の24日、アウェーのイワギンスタジアム(盛岡市)でいわてグルージャ盛岡と対戦する。午後2時開始予定。
【評】福島が今季ホーム最終戦で逆転勝ちを収めた。1点をリードされて迎えた前半36分、FW森の左サイドからの折り返しをMF大関が冷静にゴールに沈めて試合を振り出しに戻した。逆転のシーンは後半33分。セットプレーの流れで生じたこぼれ球にDF松長根が反応して右足を振り抜き、試合を決めた。(小野原裕一)
松長根が決勝点
福島が、J2昇格プレーオフ(PO)出場に王手をかけた。PO圏を争う8位沼津との直接対決。絶対に負けられない福島は先制を許したものの気迫のプレーで逆転勝ちし、混戦から一気に抜け出した。「今までであれば良くて引き分け。選手たちがたくましくなった」。大一番を制したチームに対する寺田周平監督の言葉に思いが詰まっていた。
勝利の立役者は、ともに川崎フロンターレの下部組織で技術を磨いた同世代のMF大関友翔(ゆうと)とDF松長根悠仁(ゆうと)だ。先制されて間もなく大関が同点弾、攻勢を強めた後半に松長根が勝ち越し点を放った。理想的な展開に大関は「フロンターレコンビでいい時間帯に得点を奪えた」と胸を張った。
今季から加入したプロ2年目の2人の福島への思いはともに熱い。「まだここがゴールではない。最後の最後まで集中を切らさず戦う」と松長根が最終節への意気込みを語れば、大関も「周平さんと福島サポーターを絶対にJ2に昇格させる」と決意をのぞかせた。
期待の高まりに合わせ、スタジアムも熱を帯びる。沼津戦の観客は今季2番目に多い4634人。チームカラーの赤色でスタンドが染め上がった。ホーム最終戦後のセレモニーで指揮官は「J2昇格という最高の結末の喜びをみんなで分かち合いたい」と力強く宣言した。