東北電力は18日、来年2、3月請求分(1、2月使用分)の電気料金について、1キロワット時当たり最大2円を割り引いたり、ポイントで還元したりすると発表した。女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機が15日に発送電を再開したことを受けた「感謝割引」などと称して実施する。
同社によると、割引は自由料金プランが対象。標準的な家庭(30アンペア、月間使用量260キロワット時)では月520円の割引となる。事業者などが契約する高圧、特別高圧の割引率は1キロワット時当たり1円とする。
一方、規制料金プランでは直接的な割引はなく、同社のウェブサービス「よりそうeねっと」の会員に1キロワット時当たり2ポイントを進呈。標準的な家庭(30アンペア、月間使用量260キロワット時)の場合は自由料金プランと同等の520ポイントが付与される。ポイントは電子マネーや特産品と交換できる。規制料金の契約者が自由料金に切り替える場合は別のキャンペーンと併用する形で割引額が上乗せになる。
割引、ポイント還元とも、政府が検討する電気代の補助が来年1月に再開された場合も実施する。
樋口康二郎社長(国見町出身)は仙台市で記者会見し「再稼働を一つの節目として感謝の意を込め、電力使用量が増える冬に少しでもお客さまの負担が減れば」と述べた。本格的な料金値下げについては財務基盤の悪化などを理由に「今のところ考えていない」とした。
東北電によると、女川原発2号機の再稼働に伴い、電力供給を主に担ってきた火力発電の稼働が減ることで来年度は燃料費を約600億円削減できるが、これまで安全対策工事にかかった費用の減価償却が始まるため収支改善効果は差し引き約300億円と見込まれる。
女川2号機(出力82万5千キロワット)は年間で一般家庭約162万世帯分の電力を賄える。12月ごろ営業運転入りする予定。