双葉町が、町内の国登録有形文化財「旧三宮堂田中医院診療所」を改修し、整備を進めてきた町移住定住相談センターが29日、開所した。移住を検討している人らへの情報発信の拠点として、住まいや仕事、補助金などの相談に対応し、移住定住の促進につなげる。12月2日から運営を始める。
1階に相談対応スペースや情報収集ができる場を設け、2階は個別相談室や事務所とした。町から委託を受けた一般社団法人ふたばプロジェクトが運営し、平日に職員が常駐するほか、事前予約があれば土、日曜日も相談に対応する。
旧三宮堂田中医院は1922(大正11)年ごろに建てられた。70年代後半までは診療所兼住居として使われていたが、その後は空き家となり町民からは「洋館」の愛称で親しまれていた。2022年に町で初めて国登録有形文化財に登録され、室内は大正時代の雰囲気が残る洋風のデザインとなっている。耐震補強や外壁修繕などで総工費は約7400万円。
開所式で伊沢史朗町長は「歴史ある建物が町に住みたいと思う人のための施設として利活用できることは有意義だ」と語った。住所は同町長塚字町12。開所時間は平日午前9時~午後5時。問い合わせはふたばプロジェクト(電話080・1752・9353)へ。
町内生活体験も
双葉町は町移住定住相談センターの開所に合わせ、町内で生活体験ができる「お試し住宅」事業を始めた。木造2階建ての民家を活用した取り組みで、2泊3日~4泊5日の日程で無料で宿泊滞在できる。
町外に住所があり、移住を検討している人が対象。申し込み、問い合わせはふたばプロジェクトへ。
町の11月1日現在の居住人口は173人。このうち帰還者が72人、移住者が101人となっている。