福島市北矢野目の洋菓子店「Patisserie Kledor(パティスリークレドール)」の店主末永萌さん(32)は、県外での修業を経てUターンして開業した。店に並ぶのは「福島のフルーツのおいしさを広めたい」との思いから県産果物を使ったケーキや種類豊富な焼き菓子、チョコレート。「大切な人と分けて食べたくなるお菓子を届けたい」と愛情を込める。
福島市出身の末永さんは福島東高を卒業後、東京都の専門学校に進学。その後は新潟市の洋菓子店で修業を積んだ。将来を見据えた先に思い浮かんだのは古里での生活。帰郷し国見町の洋菓子店で働いた後、昨年11月に念願の店を構えた。
商品によって生クリームの乳脂肪分の濃度を変え、チョコレートボンボンには新潟時代に取得した技術を詰め込む。ケーキには可能な限り県産のリンゴやイチゴなどを扱う。意外な人気商品が「よしひろのクッキー」だ。定年退職した末永さんの父が娘の挑戦を後押ししようと店の手伝いを始め、クッキー作りを任された。
店主でありパティシエであり、一児の母でもある末永さん。店は軌道に乗り始め多忙な日々は続くが「子どもとの時間も充実させながら、毎回足を運ぶのが楽しみになる店にしたい」と生み出す一品に真摯(しんし)に向き合う。住所は福島市北矢野目字坂東13の3。営業時間は午前10時~午後6時で日、月曜日定休。インスタグラムアカウントは@_kledor_。問い合わせは同店(電話024・597・6780)へ。