国見町のジェラート店「Gela(ジェラ)319」は昨年に続いて英国のダルメイン世界マーマレードアワードで最高賞を受賞した。店長の斎藤礼奈さん(41)は「受賞の連絡が来た時は、泣くほどうれしかった」と笑顔で話した。
同大会は今年1~2月に開かれ、30カ国以上から3000点を超える応募があった。同店の無添加のレモンマーマレードは審査結果が満点だった金賞の中から、さらに審査員の投票で選ばれる最高賞「ダブルゴールド」に輝いた。また、たんかん、麗紅(れいこう)、レモン・アセロラ、レモン・ピーチパイン、ネーブルオレンジなどのマーマレード7点も金賞に選ばれた。同店によると、7点以上の金賞を獲得したのは同店を含む2団体で、最高賞の連続受賞は初という。従業員の阿部杏奈さん(32)は「連続の受賞は奇跡的で、世界中からお祝いの言葉をもらった」と喜んだ。
レモンマーマレードは昨年の同大会でも金賞だった逸品。愛媛県産レモンを一瓶ずつ丁寧に煮詰めて加熱時間を短縮し、鮮やかな黄金色に仕上げている。昨年の審査結果を受けて、1年間かけて果実のフレッシュで繊細な味わいを追究した。
店は福島市産のユズを使ったマーマレード作りにも力を入れており、斎藤さんは「ユズをかじったようなフレッシュなマーマレードを作りたい」と語る。斎藤さんは東京電力福島第1原発事故の影響で、福島市にある祖父のユズ畑に実ったユズを、出荷制限が解除される2022年まで廃棄しなければならなかった。制限の解除後、福島の果物の良さを発信しようと、店でマーマレードの製造を始めた。来年も世界大会に出場して県産果物をPRするつもりで「福島のユズを世界に伝えて復興のお手伝いができたら」と熱い思いを一瓶に込める。
レモンは5月まで販売
マーマレードは同店のほか、道の駅国見あつかしの郷、郡山市のラボットリビングスタイルなどで販売されている。レモンは5月までで、レモン・アセロラとレモン・ピーチパインは4月ごろからの販売を予定している。ほかの商品は数量限定で販売している。問い合わせは同店(電話090・7078・3190)へ。