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大杭甲への登山ルート設定 福島・万世大路を守る会、万全な装備で楽しんで

2025/06/20 10:03

大杭甲頂上からの眺め。福島市街地方面を望む
大杭甲頂上に立つ岡部代表(中央)ら

 福島市と山形県米沢市を結ぶため明治初期に整備された万世大路の維持補修活動を行う「福島市万世大路を守る会」は、本県と山形県の県境にそびえる大杭甲(だいくいこう)(標高1202メートル)に通じる万世大路・栗子隧道(ずいどう)からの登山ルートを設定した。ルートを参考にした登山を呼びかけている。

 万世大路は国道13号の整備に伴って昭和40年代に廃道となり、現在は山菜採りや栗子隧道への来訪者などが利用している。守る会は市民有志で2014年に設立し、万世大路の補修復旧をボランティアで実施。数年前から大杭甲への登山ルート設定も検討してきた。

 守る会は昨年までに栗子隧道に通じる万世大路の仮復旧を一段落させた。今年は現地踏査登山を重ね、今月9日に最適ルートに目印のテープや標高50メートルごとに案内板を設置した。大杭甲の頂上は360度の眺望が楽しめ、吾妻、飯豊、朝日、蔵王連峰も遠望できる。

 守る会の岡部達也代表は「登山ルートは急勾配を直登し、クマが生息している。クマ鈴やラジオを携帯し、万全な装備と登山経験豊富で体力に自信のある複数人で登山を楽しんでほしい。頂上の眺望は登山の疲れが吹き飛ぶはず」と語った。

 栗子隧道は国道13号から約9キロ。万世大路の二ツ小屋隧道、烏川橋、大平集落跡、大平橋、杭甲橋を経て着く。大杭甲頂上へは上り2時間20分、下り1時間10分。岡部代表は「国道13号から大平集落跡まで徒歩で2時間以上かかる。十分に余裕を持った登山計画を立ててほしい」とした。

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