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(44)人生 「未来の種」まいている

2025/08/21 11:30

畑の作業が少ない時期ですので、ニワトリのトレーニングをしようと思いました。目の前にこんなに広い農園があるのに、ずっと運動場だけにいるのは残念なので、あちこちに連れて行きます。私から離れないし、付いてきてくれます。自分たちで運動場にも戻ります。ニワトリは、みんなが思っているより本当にエライです
雨がようやく降ってきて、オクラやキュウリが一気に大きくなりました。オクラはいくらでも食べられるので、これから毎年作ろうと思います!

 こんにちは! エミリーです。

 暑くて、水不足で、農園のペースはゆっくりです。だいたい、9月から翌年7月までは畑の作業をしますが、夏はニワトリとネコにえさをあげるだけで、土に手を入れません。

 暑さを気にしてというわけではなく、「怖い時期」になっているからです。

 小さい頃はあまり気にしなかったのですが、母は怖がっていて、この怖さをうつされました。何でしょうね。答えは…クモです。

 外にいる小さいクモは大丈夫ですが、夏に近づくと、それなりにクモが大きくなります。サイズが大きくなるほど怖さも増えます。見るだけで汗をかきます(笑)。

 畑の倉庫のドアを開くとクモが私に落ちてきたり、顔に巣がかかったり、道具を取ると下に隠れていて…毎日、私のびっくりした声「あぁぁ!」が農園で聞こえます。

 つぶすことはしません。虫をよく捕ってくれるし、生物多様性の大事な一部ということで感謝もしています。

 この怖さは、あくまで自分の心の問題だけなので、私は自分で解決するべきです。少しずつ慣れれば、何か変わるかもしれませんね。

 農園は完全に緑になりました。冬は草が枯れるし、夏は伸びますね。いくら除草剤をかけても、いくら草刈りしても、自然は自分のサイクルを続けます。人間の人生も四季と似ている感じがします。

 私たちは、やること、また言うことで「未来の種」をあちこちまいていると思います。出来事の芽が出るか出ないか、この発想は花が咲くかどうか、この縁は伸びるかどうか。大事に育てた思いは枯れる時もあるし、途中で気持ちのつぼみが落ちる時もあります。

 たくさんの種をまくから、うまく収穫までいくということではないです。失敗が続いて、寒い冬を過ごす時期もあるし、逆に千本桜の春もあります。

 最近、知り合いや仲間から何回も「エミリーは幸せですか?」と聞かれました。何と言えばいいのかは、よく分かりませんでした。

 あまり考えることではなく、感じることですから言葉で簡単に答えられません。

 私にとって、幸せって、それぞれの季節を感じられることではないかと思います。冬があるからこそ春の暖かさを大事に感じます。とろける夏があるからこそ初雪を楽しんでいます。それは本当の季節でも、人生の季節でも。

 冬を長く感じる時に、太陽が毎朝必ず起きますので、「明日のための種」を頑張ってまきたいと思っています。

 では、また来月!

      ◇

 エミリー イラストレーター。東京などで語学講師として活動し、2021年2月から県内に移住。趣味は散歩。猫好き。自身のサイト「メリエマリス」で、赤べこのイラストや県内スポットの紹介文とイラストマップなどを公開。オリジナルグッズも多数展開中。

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