福島県須賀川市長沼地区で約40年にわたり続き、後継者不足などの理由で昨年9月に歴史に幕を下ろした「長沼まつり」の地域交流や文化を受け継ごうと、地元有志らが7日、同地区の長沼総合運動公園で「ニューナガヌマフェスティバル」を開いた。地区内外から大勢の来場者が訪れ、にぎわいと笑顔に包まれた。
「このまま長沼から祭りがなくなって良いのだろうか」と危機感を募らせた地元有志らで結成した「ALLながぬま協力隊」が運営。バンド演奏や踊りをはじめとしたステージイベント、特撮体験、物販、PR広報など、隊員がそれぞれ多彩なプログラムを企画した。
会場では、これまでのまつりで地元住民らが思いを込めて作り上げた迫力満点の「ねぶた(青森方式の立体形)」「ねぷた(弘前方式の扇形の絵)」も展示。親交のあった「青森ねぶた祭」の関係者も駆け付け、太鼓や笛のおはやしに合わせて踊り、会場一体となった。
長沼まつり創設から携わり、昨年、実行委員長を務めた戸田修一さん(65)らメンバーも地元の若手らの奮闘を陰ながら支えた。戸田さんは「思いを引き継いで動いてくれて、今年も地区がにぎわった。今後もできることは協力したい」と感慨深そうに見つめた。
協力隊の加藤真弘会長(56)は「予想以上の人出。準備は大変だったが、想定していた規模より大きいものになった」と充実の表情をにじませた。