福島市飯坂町・穴原温泉の老舗旅館「吉川屋」は、ベッド付き客室の増室に充てるため、インターネットで資金提供を呼びかける「クラウドファンディング」を展開している。目標金額は300万円。
畠正樹社長によると、布団からベッドに変更すると団体客を受け入れにくくなるため導入を見送ってきたが、旅館を支えている両親が「旅行先で布団で寝るのはつらい」と話すようになり、その一言をきっかけに親孝行の宿、親孝行温泉として新たな一歩を踏み出す決意をしたという。
吉川屋は、結婚式を挙げたカップルが穴原温泉に押し寄せた昭和30年代の「新婚さんブーム」の際、いち早くベッド付き客室を導入し、ブームをリードした。現在100室の吉川屋だが、ベッド付き客室は6室のみで、最近はベッド付き客室に関する問い合わせも多いという。
畠社長は「時代に合ったサービスを提供できるよう、旅館を進化させたい」と支援への協力を呼びかける。
今回はベッド付き客室を新たに9室増室する。支援金は、全てベッド付き客室の改装・導入費用に充てる。目標金額に満たなくても計画を実行し、返礼を届けるという。実施期間は12月21日まで。
資金は5000~50万円の範囲で募り、支援額に応じて同旅館の日帰り入浴券や宿泊利用券、福島牛セットなどの返礼がある。
支援金は専用サイト「キャンプファイヤー」で募集している。問い合わせは同旅館(電話024・542・2226)へ。
