福島県は30日、福島市で狩猟の基礎から実践的な技術を学ぶ「ハンタースクール」を開校した。県内で被害が相次ぐツキノワグマについて、県職員は「本年度の目撃件数は1700件を超え、これまでよりもはるかに多い。十分注意してほしい」と危機感を共有した。
開校式には、狩猟免許取得後3年以内の初心者31人が臨んだ。県職員はツキノワグマをはじめ、イノシシやニホンジカの県内での生息範囲や捕獲数、農作物や人的被害の状況を説明。ツキノワグマを巡っては会津と中通りに出没警報が発令されており、遭遇の恐れが高い場所や県がまとめた人身事故を減らすための10カ条を周知した。さらに、狩猟者の高齢化や減少傾向にある狩猟免許の受験者数についても説明した。
ハンタースクールは鳥獣対策の担い手不足が深刻化する中、人材確保や狩猟免許取得者同士のネットワークづくりを目的に昨年度から開校した。本年度はわなの架設やセンサーカメラといった情報通信技術(ICT)の活用方法を学ぶ「わな猟」と、イノシシとニホンジカの実猟体験を行う「銃猟」の2コースに分かれて専門的な学びを深める。
