14日に始まる大相撲名古屋場所は、1965年から行われてきたドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で最後の本場所開催となる。名古屋城に隣接し、60年近くも熱戦を展開。来年からは近隣に建設中の「IGアリーナ」に移る。
2011年名古屋場所4日目。38歳の大関魁皇(現浅香山親方)は千代の富士の通算1045勝の歴代最多記録(当時)に並んだ。「お客さんも分かってくれていた」と述懐する。1047勝まで記録を伸ばし、同場所中に現役引退した。
名古屋場所の支度部屋は体育館に設けられ、薄い仕切り板で東西が分かれている。両国国技館や他の地方場所とは違い、入り口などで対戦相手と出くわすこともあった。「変な感じだったけれど、故郷の体育館のような雰囲気がどことなく自分に合っていた」と浅香山親方。00年に念願の大関昇進を決め、01、03年では賜杯を抱いた。土俵人生の節目は、不思議と名古屋が多かった。