松山市の松山城近くで発生し、木造住宅1棟を巻き込み一家3人が死亡した土砂崩れで、現場を視察した愛媛大の専門家は、土砂崩れ現場の地質は水を含みやすい砂岩で、大雨の影響で斜面の表土が崩れる「表層崩壊」が発生したとの見方を示した。市は16日、野志克仁市長らが出席し災害対策本部会議を開いた。
専門家は15日までに現場を視察。連日の大雨で水が集中し、斜面が崩壊したと分析している。市の工事現場の亀裂部分にたまった水によって圧力がかかった可能性もあるとした。市は現場付近に発令していた「緊急安全確保」を16日午前6時に解除した。
市などによると、現場上部にある松山城天守付近の道路では、昨年夏と今年6月末~7月の大雨で斜面を支える擁壁が傾き、数本の亀裂が発生。市は復旧工事に着手し、雨水対策として道路や斜面をブルーシートで覆っていた。
会議後、記者団から市の工事が土砂崩れに影響した可能性を問われた野志市長は「まだ不明点もある。詳細を分析し、因果関係を調査する」と述べるにとどめた。