【アンカラ共同】パリ五輪の射撃混合エアピストルに特別な装備を着けずに出場して銀メダルを獲得し、世界的話題となったトルコのユスフ・ディケチ(51)が4日、首都アンカラで共同通信のインタビューに対し「前向きな反応が多く幸せ。心地よさと質素さの勝利だ」と喜びを語った。日本メディアの取材に応じたのは帰国後初めて。
多くの選手がゴーグルなどを使う中、Tシャツのユニホームを着ただけのシンプルな姿で出場。日本のSNSではオンラインゲームで装備に課金しないことに例えた「無課金おじさん」の愛称が付いた。
過去に装備を試したこともあったが「不快だったからやめた」と明かした。
耳栓は薬局で購入する市販品で、靴は競技用ではなく普通のスニーカー。老眼と近眼に苦しみ眼鏡は競技用に特注したが、両目で照準を定めるため、片目を隠すブラインダーは不要だ。
2008年の北京大会以来、5大会連続の五輪出場。「本来、五輪の中心にあるべきものはフェアプレーで、自然な人間の能力だけで競うべきだ」と訴える。