【パリ共同】パリ五輪の陸上女子走り高跳びで4日、世界記録を保持するウクライナのヤロスラワ・マフチフ(22)が期待通り、金メダルを獲得した。同国の金メダルは今大会2個目。焦点だった五輪記録更新はならず「もっと高く跳べた」と悔しさもにじませた。同国のイリーナ・ゲラシチェンコ(29)も銅メダルに輝いた。
競技後、マフチフは「ロシアに殺されたアスリートは、競技することも、私の優勝を喜ぶこともできない。このメダルはウクライナと全てのアスリートに贈られた勲章だ」と声を震わせた。
マフチフは2023年の世界陸上で優勝、今年7月には世界記録を37年ぶりに塗り替え、優勝候補の本命として五輪を迎えた。「プレッシャーを感じた」が、トレードマークとしているウクライナ国旗の黄と青2色のアイメークで、重圧をはねのけた。
ロシアの攻撃が続く東部ドニプロ出身。侵攻が始まった22年2月24日早朝は、爆発音で目を覚ました。翌月にコーチ一家と出国し、練習や大会出場のため、欧州各地を転々とする。ウクライナにはほとんど戻れない。