【パリ共同】第33回夏季オリンピック・パリ大会は11日夜(日本時間12日未明)にパリ郊外サンドニのフランス競技場で閉会式が行われ、17日間の日程に幕を下ろした。海外開催の五輪では最多の409選手で臨んだ日本は、米国、中国に次ぐ金メダル20個を獲得した。銀12、銅13を合わせた総数は45個。金メダル数、総数とも海外五輪では最多で前回東京五輪に次ぐ歴代2位だった。
新型コロナウイルス禍で原則無観客だった3年前の東京大会と対照的に、会場は連日盛り上がり、五輪本来の祝祭感が選手の活躍を後押しした。
近代五輪の創始者、ピエール・ド・クーベルタン男爵の母国に100年ぶりに戻った今大会は、「広く開かれた大会に」をスローガンに史上初めて出場枠の男女同数を実現。セーヌ川での開会式や市民参加型の企画など新たな五輪像を示した。大会組織委員会によると、チケット販売は史上最多の950万枚超だった。
閉会式では、陸上女子やり投げ金メダルの北口榛花(JAL)と、新競技のブレイキン男子の半井重幸(ダンサー名・SHIGEKIX、第一生命保険)が日本選手団の旗手を務めた。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「フランスは驚くべき舞台を用意してくれた。新たな時代の大会となった」とあいさつ。五輪旗が次回2028年大会を開催するロサンゼルスに引き継がれ、聖火が消された。
開幕直前に高速列車TGVの電気設備への放火があったが、会期中に大きな混乱はなかった。一方、ウクライナに侵攻するロシアやベラルーシの選手の個人資格参加や難民選手団は、混迷する世界情勢を映し出した。