【パリ共同】数々のヒーロー、ヒロインが生まれた11日閉幕のパリ五輪で、悔しさを残した新世代の選手がいる。初出場で大きな期待を背負いながら戦い、最高の結果には届かなかった。パリの夏を終え、スポーツクライミング男子複合で「金」に迫った17歳の安楽宙斗(JSOL)は「最強と言われるように頑張る」。飛躍への思いを胸に4年後のロサンゼルス五輪へ再出発する。
決勝に臨んだ安楽は前半のボルダーを首位で終え、得意のリードで最後に登場。金メダルまであと3手のホールド(突起物)に右手をかけた直後、力尽きて落下した。「銀」を手にして「うれしいけど、悔しさの方が強い」と無念さが消えなかった。
女子複合の20歳、森秋彩(茨城県連盟)は決勝のボルダーで、ホールド間が遠く、難易度の高い壁に身長154センチの小さな体で苦しんだ。「0点」の課題もあって7位と出遅れ、リードで巻き返したものの4位。「悔しさを持ち帰るには一番いい順位。この後強くなれる」と言い切った。