日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞決定を受け、のんさん(31)が12日、共同通信に手記を寄せた。
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来年終戦80年という節目の前に、「2度と被爆者を出さない」、その想いで活動されてきた皆さまがノーベル平和賞に選ばれたこと、「この世界の片隅に」ですずさんを演じさせていただいた私にとってもうれしいニュースでした。
私はすずさんという役がいただけるまでは、戦争について考えることを拒んでいました。怖くて非現実的に思えて、遠ざけることで自分の心を落ち着けていたのだと思います。私と同じような人は少なくないと思います。
けれど自分には関係がないと考えを放棄することは、たとえこの恐ろしい悲しみが自分に降りかかったとしても関係がない。そういうことなんだとも気付きました。すずさんの体験は私たちの生きる現実と地続きなんだと。
自らも被爆し、すでに亡くなられた方々と長い苦しみを越え、後世に伝え続けるすさまじい決意に本当に頭が下がります。
これをきっかけに「核兵器は絶対にダメ」だということが世界に伝わりますように。
このたびは長年の努力と決意が世界に認められた「ノーベル平和賞」、おめでとうございます。
(広島県被団協の箕牧智之)理事長が頬をつねりながら語った想いに、胸が熱くなりました。