政府は26日、同志国軍に防衛装備品を供与する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の枠組みを活用し、太平洋島しょ国フィジーの海軍に救難用ゴムボートを供与した。OSAの枠組みで装備品を引き渡したのは初めて。政府は今後も海洋進出を強める中国に対処するため、支援対象国や予算を拡充。安全保障環境の改善を図る方針だ。
26日はフィジーの首都スバの海軍基地で、在フィジー日本大使館幹部やフィジー海軍司令官らが出席し供与式を開催した。
フィジーは、日本にとって重要なシーレーン(海上交通路)に位置し、警戒監視能力の向上に課題を抱える。政府はフィジー向けに4億円を確保しており、今後も警備艇や救助艇などを順次引き渡す。
OSAは22年に閣議決定した国家安全保障戦略に基づき、23年4月に創設された。初年度はフィジーを含む4カ国を対象に、総額約20億円を計上。24年度はフィリピンなど4カ国に対し、沿岸監視レーダーなど50億円分の供与を決めた。25年度は対象国を8カ国程度とする方向で、予算は80億円まで増額した。