宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎で東日本大震災の津波にのまれながらも一命を取り留め、約14年8カ月にわたり同町の復興のかじ取りを担った佐藤仁町長(73)が5日、任期満了で退任した。退任式で「多くの仲間を失った。職員の献身的な取り組みが、町の復興を成し遂げた大きな要因だ」と話した。
岩手、宮城、福島3県によると、震災と東京電力福島第1原発事故で被害が大きかった計42市町村のうち、当時から首長を務めるのは宮城県気仙沼市、福島県の相馬市と川内村の3市村となった。
佐藤氏は、震災後に入庁した職員が半数を超えたとして「あの災害を知らない職員に思いをぜひ伝えてほしい」と呼びかけた。
