平野啓一郎（『ある男』）の長編小説を石井裕也監督（『月』、『舟を編む』）が映画化した『本心』が、11月8日から公開される。今よりさらにデジタル化が進み、“リアル”と“バーチャル”の境界が曖昧になった少し先の未来を舞台した、ヒューマンミステリー。主演の池松壮亮をはじめ、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡、田中裕子らが演じる登場人物たちの相関図＆場面写真解禁となった。
【画像】映画『本心』新たに解禁された場面写真
石川朔也（池松）と母・秋子（田中裕子）は2人でつつましい生活を送る親子。しかし、ある日突然「大事な話があるの」と言い残し、母が急逝してしまう。その後、朔也は生前の母が自由死を選んでいたこを知り、幸せそうに見えた母がなぜ自ら死を望んでいたのか本当の心を探るため、最新のAI技術の開発者に「母を作ってほしい」と依頼する。
急逝した母・秋子の本心を知りたい息子・朔也。秋子と生前親しくしていたという彩花（三吉彩花）。朔也をやたらと気にかける岸谷（水上恒司）。ある事件を境に朔也に羨望の眼差しを向けるイフィー（仲野太賀）。自由死を選び最後の願いを朔也に託す若松（田中泯）。バーチャル・フィギュア（VF）の開発者・野崎（妻夫木聡）、VFとして蘇った中尾（綾野剛）と朔也の母・秋子。欲望・好意・心配・疑心・羨望・共感といったさまざまな思いが交錯する登場人物たちの“本心”とは？
■登場人物
【石川朔也／演：池松壮亮】
遠く離れた依頼主の指示通りに動く“リアル・アバター”として働く青年。何も告げずに“自由死”を選んでいた母の本心を知るため、最新AI技術を搭載したVF（バーチャル・フィギュア）を利用して仮想空間に〈母〉を蘇らせる。しかし、テクノロジーの未知の領域に足を踏み入れた朔也は、翻ろうされ自らの“存在”や“本心”をも見失っていく。真面目で正義感の強い性格だが、人生を狂わせるほどの“ある事件”を起こした過去がある。
【三好彩花／演：三吉彩花】
朔也に母親の情報を提供してくれる、生前の秋子の歳の離れた親友。過去のトラウマから他人に触れることができないが、ひょんなことから朔也の家に同居することになる。VFの秋子との暮らし、そしてリアル・アバターの仕事で戸惑い、疲弊していく朔也を見守りつつ、2人は特別な絆を築いていく。
【岸谷／演：水上恒司】
朔也の幼なじみ。朔也にリアル・アバターの仕事やAIで人を再現できる技術があることを紹介する。時代に置いてきぼりにされている朔也を茶化すような軽い一面も見られるが、仕事を失った朔也を気にかけたり、他の人とのつながりを率先して作ったりと何かと朔也を気にかけている。朔也の過去を知る数少ない人物で、三好に対し、朔也の過去のトラブルに関わっていた張本人ではないかと疑惑の目を向ける。
【イフィー／演：仲野太賀】
ある出来事を機にリアル・アバターである朔也に目をかける、世界的に有名なアバターデザイナー。常に明るく振る舞っているが、事故で身体が不自由になった自分とは違い、自身の身体を丸ごと依頼主に貸し出す仕事をしている朔也をうらやましく思っている。また、朔也と初めて会った日に居合わせた三好に興味を抱き、3人は奇妙な関係へと発展していく。
【若松／演：田中泯】
リアル・アバターの仕事を始めた朔也に最初の依頼をした人物で、母と同じく自由死を選択。病室から動けないながらも、最期の時間を思い出の地で過ごしたいという願いを、リアル・アバターの朔也に託す。自由死に疑問を抱く朔也は若松に考え直すよう訴えかけるが…。
【中尾／演：綾野剛】
野崎が作り上げたVFのひとりで、野崎が朔也にサンプルとして会わせた人物。自分をVFと認識している。亡くなった人をAIで蘇らせることに一抹の不安と疑問を抱える朔也にVFの“心”について語る。
【野崎将人／演：妻夫木聡】
生前のパーソナルデータを基にAIで人格を形成する技術VFを開発した技術者で、岸谷の紹介をきっかけに朔也の母を蘇らせる。著しく進化するテクノロジーを駆使しビジネスにしたことで、娘と2人で裕福な生活を送る。「本物以上のお母様を作れます」と発言するなど、朔也も知り得なかった母の一面をVFで再現できると考えている。
【石川秋子／演：田中裕子】
息子に黙って自由死を選んでいた朔也の母。死後、VFとして蘇り、VFゴーグルを着ければいつでも会える存在となる。朔也と三好とVFの母で他愛もない日常を取り戻していくが、徐々に朔也の知っていた母と違う、 “知らない一面”をさらけ出していく。そして、朔也には言っていない過去の重大な秘密も明るみに…。
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