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『コミックシーモア』売上高を初公表、812億円で国内電子書籍業者1位に

09/06 16:06

  • エンタメ総合
NTTソルマーレ 代表取締役社長・朝日利彰氏

 総合電子書籍ストア『コミックシーモア』を運営するNTTソルマーレが、5日に電子書籍事業戦略発表会を開催。同事業の売上高が812億円(2024年3月期)を達成したことを発表した。『コミックシーモア』は今年で、20周年を迎えている。

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 これまで売上高を公表していなかった同社だが、代表取締役社長・朝日利彰氏は「20周年を機に透明性を高め、業界の発展と自社の成長のために」と、公開を決断。2024年3月期売上は812億円で、国内電子書籍業者として1位(自社調べ/国内競合企業の公開資料を基に比較/2024年8月時点)、11期連続の増益を発表した。また、最高日販9億円以上、月間利用者数4,000万人以上、取り扱い冊数143万冊以上(同社調べ)などのデータも公開した。

 国内・国外の電子書籍市場において、2023年度の市場規模は6,449億円。2028年度には8,000億円市場に成長が見込まれているという。要因としては、縦スクロールマンガの人気、韓国コンテンツの台頭、日本コンテンツの世界での盛り上がり、制作面での効率化やAI等のテクノロジーの活用が奏功したとみられる。

 このように変化が激しく、多くの電子書籍やアプリなどがしのぎを削る市場の中で、朝日氏は「早期に1,000億円突破を目指したい」と語る。これまでもマンガへの情熱を持ち、業界全体を盛り上げる『電子コミック大賞』、ユーザー同士がコミュニケーションできる独自のプラットフォームなどを創出してきたが、今後はさらに、パーソナライズの推進やプロモーション効果の最大化を狙う。

 「電子書店ならではの目利き力とテクノロジーを活用し、増えゆくマンガとの出会いの創出、電子書店ならではのマンガトレンドの開拓、多角的なメディア化などを成し遂げたい」と朝日氏。目指すのは「No.1マンガ総合プロデュース集団」とし、「日本のマンガを世界のメインカルチャーにしたい」と抱負を述べた。なお、同社が海外展開している『MangaPlaza』は、前年同期比300%超で成長しているそうだ。

 この日は、大ヒット作『拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます』で協業したKADOKAWAのデジタル営業局担当者も登壇。「出版社では追いきれない、ユーザーに近いコミックシーモアの知見がヒットに繋がった」と明かした。

 NTTソルマーレは、WEBでマンガを読むことがまだ浸透していなかった2004年に『コミックシーモア』の原型となるケータイ向けコミック配信サービス『コミックi』を立ち上げ、電子コミック市場をけん引。20周年を迎えた現在では、国内電子書籍業者として最大級の売上を誇っている。

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