県民健康調査検討委員会の星北斗座長に、東京電力福島第1原発事故発生時18歳以下の県民を対象にした甲状腺検査の取り組みなどを聞いた。
―県民健康調査のこれまでの5年をどう見るか。
「結果については、これまでの知見で判断すれば、現時点で放射線影響は考えにくい。甲状腺に限らず、たくさんの検査を比較的早い時期から進めてきた。今後は甲状腺検査も県内の医師にやってもらい、検査体制の質を高めていきたい」
―子どもの甲状腺がんが見つかっている。どう受け止めているか。
「委員会とすれば、放射線量や当時の年齢を考えた時に、影響がないとは断定できない。ただ検査をしなければ、見つからなかった可能性が高い。検査をきっかけとして、冷静に対応することが重要だ」
―今後の調査の進め方は。
「見直す時期にきている。18歳以上の県民にどのように受けてもらうかなど、さまざまな課題がある。調査そのものが目的ではなく、健康に不安を持った人々が自身の健康問題に目を向けてもらうことが必要。自ら健康について考える調査にしていきたい」
【プロフィル】郡山市出身、東邦大医学部卒。星総合病院理事長。郡山医師会理事、県医師会副会長などを歴任。51歳。