今回の原発事故で汚染された廃棄物に対しては、従来の高・低レベル放射性廃棄物という考え方ではなく、別の基準が作られました。原発周辺の市町村または避難区域である(であった)場所の外の区域であっても、1キロ当たり8000ベクレルを超える下水の汚泥や焼却灰といった汚染の高いものは、「指定廃棄物」として国が管理することになっています。現在は富岡町にある国有埋め立て処分場での埋め立てが徐々に進んでいます。
この指定廃棄物が1キロ当たり8000とか数万ベクレルとか聞くと、数字だけではびっくりする方もおられるかもしれません。
ただ、放射線は遮ると減りますし、遠ざけると減ります。例えば0.5メートルほどの土をかぶせると、放射線は約500分の1に、100メートル離れると、1メートルのそばにいる時の1万分の1になります。
この処分場から100メートル強ほど離れた場所の住居で生活すると、年間で1ミリシーベルトの500分の1ほど被ばく量が増えるといわれています。埋め立てが終わると、土に遮られてさらに低くなります。もちろん今後も安全に保管するための管理は必要です。しかし、指定廃棄物が近くにある場合、値としてむちゃくちゃな量の被ばくをするわけではない、ということはお分かりいただけるのではないでしょうか。