「福島ダービー」2-2引き分け いわきFC速攻、福島Uが猛追
02/19 08:30
サッカーJ2のいわきFCとJ3の福島ユナイテッドFCが対決する「Jリーグプレシーズンマッチ 2024福島ダービー」は18日、広野町のJヴィレッジスタジアムで行われ、2―2で引き分けた。
福島ダービーは2022年8月以来約1年半ぶり。いわきは前半13分、MF山口大輝のゴールで先制。同32分に福島のFW矢島輝一がヘディングを決め、振り出しに戻した。2分後、いわきのFW谷村海那がヘディングから追加点を奪ったが、後半38分、福島のFW樋口寛規のゴールで再び同点に追い付いた。
両クラブの開幕戦は24日。いわきはアウェーのケーズデンキスタジアム水戸(水戸市)で昨季17位の水戸ホーリーホックと対戦する。午後2時開始予定。福島はアウェーの岐阜メモリアルセンター長良川競技場(岐阜市)で昨季8位のFC岐阜と対戦する。午後3時開始予定。
いわきFC・嵯峨、サイド攻撃の要
今季もサイド攻撃の中心を担うのは、この男だ。いわきのDF嵯峨理久が高精度のクロスなどで2アシスト。これまで「3・4・3」の右ウイングバック(WB)でプレーしてきたが、この日は「先週くらいから練習してきた」という左WBで活躍。高い対応力も見せつけ、「自分の良さを出せた」と手応えを語った。
1点目はシンプルなワンタッチパスから。右WB加瀬直輝のクロスを逆サイドのゴール前で折り返し、MF山口大輝のシュートをお膳立てした。2点目は右足のクロス。ゴールへ向かって曲がりながら落ちるクロスでFW谷村海那の頭へぴたりと届けた。「内側の選手とも良いコミュニケーションが取れた」とこの日のプレーを振り返った。
昨季に負った左足首の大けがから復帰後、「状態は上がってきている」と嵯峨。この日も前半のみの出場予定だったが、後半14分までプレーした。
一方で「勝てなくて悔しい」とも語る。積極的な守備で主導権を握ったが、その積極性の裏をかかれての失点もあった。「プレスを始める位置は、間延びした時こそ選手で変えられるようにしたい」。開幕に向け、明確になったチームの課題の解決に取り組むつもりだ。(小磯佑輔)
福島U新加入の矢島、反撃弾
上り調子のストライカーが熱いプレーでチームを勢い付けた。前半に一時同点に追い付くゴールを決めた福島のFW矢島輝一は「『福島は自分たちだ』というプライドを持って戦っているということをサポーターに示したかった」と力強く語った。
1点を追う前半32分、FW塩浜遼のクロスにどんぴしゃりのタイミングで頭を合わせた。歓喜に湧く福島サポーターに向かって力強くガッツポーズ。「相手ディフェンスとうまく駆け引きして、自分が入りたいスペースを空けることができた」と振り返った。その直後に相手に追加点を許したが、後半にベテランのFW樋口寛規(ひろき)が同点ゴール。チームは最後まで闘志あふれるプレーを繰り広げた。
昨季は得点力不足が課題となった福島。今季から指揮を執る寺田周平監督は「ゴールに向かう姿勢やチャンスの回数にこだわる」と強調する。今季加入の矢島は1、2月に行われたキャンプ中の練習試合4試合で4ゴール3アシストの活躍。順調な仕上がりを見せていた。
「リーグ戦が始まってから得点を取らないとFWとしての価値はない」と矢島。開幕後もゴールを量産し、福島を上へ上へと押し上げていく。(熊田紗妃)