夏の青空の下、長雨でかさを増した阿武隈川の水がどうっと流れ落ちる。須賀川市と玉川村の境にある乙字ケ滝だ。表情が険しい。轟音(ごうおん)が響く木立に身を置き、複雑にうごめく水をじっと眺めていると、われを忘れる。 滝のそば、「滝見不動堂」の傍らには、芭蕉の句碑が。 〈五月雨の滝降りうつむ水(み)かさ哉〉(長雨で滝が降り埋まるほどの水かさになっているだろうよ―の意。碑の句は、助詞と表記が底本「俳諧書留...
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