旅には、きっちりとした計画的な旅と、行き当たりばったりの旅がある。松尾芭蕉の場合は、用意周到に準備した上で旅立ったと、佐藤勝明和洋女子大教授が話していた。確かに芭蕉は、須賀川の相楽(さがら)等躬(とうきゅう)や尾花沢の鈴木清風ら、長逗留(とうりゅう)した俳諧仲間の元へは、相手の在所を確かめ、手紙を出した上で訪れたようだ。 ただ、あまりスケジュール順守の予定調和な旅でも、面白みに欠ける―と、芭蕉は...
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