【検証・放射線】「基準値」独り歩き...厳しい数値設定混乱招く

11/26 11:00

  • 有料記事
高圧洗浄機を使った樹皮の除染の実験の様子。本県農家は放射性物質の低減のため工夫を重ねた=2011年11月、福島市

 「あの時、政府が(現状よりも)低い基準値を言えば、国民の皆さんは安心するだろうという想定があった。だが、数値の問題ではなかったんです」。東京電力福島第1原発事故の発生当時、国の放射線審議会長を務めていた丹羽太貫(おおつら)(77)は、食品に含まれる放射性物質の基準値が1キロ当たり500ベクレルから100ベクレルに引き下げられた背景をそう指摘する。引き下げは、原発事故から約1年後の2012(平成2...

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line