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高卒求人公開、「売り手」継続 企業は「若い力」渇望

07/13 08:00

掲示された求人票を見比べる福島商高の生徒ら

 来春卒業予定の高校生を対象とした求人票の公開が今月から県内各校で一斉に始まった。人手不足を背景に学生優位の「売り手市場」が続いており、各高校には若い力を熱望する企業から連日多くの求人票が寄せられている。

 福島商高では12日までに県内約460件、県外約240件の求人票を受け付けた。昨年に比べて1.5倍ほど増え、郵送ではなく直接持参して協力を求める企業も増加した。同校に専門学科がない電気や機械関係の業界からも、「入社後に一から教えるのでぜひ検討してほしい」との声もあるという。進路指導主事の蒲田信幸教諭は「若い人材を早い時期から育成し、長く地元で貢献してほしいと考える企業が増えている。年々高校生への期待が高まっていると感じる」と話す。

 同校の3年生238人のうち、就職を希望するのは3割ほどの約70人。情報ビジネス科3年の高橋幸輝さん(17)は「タイピングが得意なので、自分のスキルを生かせるような事務職に就きたい」と希望する。同科3年の半沢梨里さん(17)は「企業訪問などで仕事内容や社内の雰囲気を確かめた上で自分に合った企業を見極めたい」とした。

 福島労働局によると、6月末時点で県内の新規高卒者向けの求人は3084件(前年同期比38件増)、7839人(同63人増)だった。担当者は「製造業や小売業、販売業をはじめ幅広い業種で求人は引き続き増加傾向にある」と分析している。学校から企業への応募は9月5日に始まり、同16日以降に各企業で採用選考などが行われる。

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