【パリ=報道部・佐藤智哉】パリ五輪の開幕まで、いよいよあと1日に迫った。本県関係のオリンピアンは、バックアップメンバーなども含めて5競技に18人で、メダル獲得など活躍が期待される。
ワタガシ東京超える戦略 バドミントン
銅メダルを獲得した2021年東京五輪に続くメダルを狙うのが、バドミントン混合ダブルスの渡辺勇大、東野有紗(BIPROGY、富岡高卒)の「ワタガシ」ペアだ。渡辺は東京五輪で男子ダブルスにも出場したが、この3年間は混合ダブルスに絞り、2人の練習の密度を上げてきた。中学でペアとなって13年。2人が目指すのは東京を超える「金」のメダルだ。
世界ランキング(23日現在)は5位につける。予選リーグでは同7位の香港のペア、同10位の台湾のペアと同組となった。ほかの組を見ても実力は拮抗(きっこう)しており、激戦は必至だ。
東野が「どの試合に対しても油断せず、しっかり話し合い、作戦を立てて準備していくことが大事だ」と語れば、渡辺も「予選の1試合目から気が抜けない。最初から最大限の力を発揮できるように準備したい」と強調する。トーナメントまでを見据えた戦略的な試合運びをできるかが、世界一への鍵となりそうだ。
窪木磨いたスプリント力 自転車
自転車トラック競技の中長距離男子3種目に出場する窪木一茂(ブリヂストン、学法石川高卒)は、自身初のメダル獲得に名乗りを上げる。16年リオデジャネイロ五輪ではオムニアムで14位に終わり、東京五輪は代表入りを逃した。35歳のベテランがスプリント力を磨き、五輪に返り咲く。
4月にカナダで開かれた五輪、世界選手権に次ぐ国際大会「ネーションズカップ」では、個人種目のオムニアムで2位に入るなど経験と実績は十分だ。窪木は「(オムニアムでは)メダルの色は問わない。必ず結果を出して、故郷にメダルを持ち帰る」と決意を語る。
古賀、海外で鍛え抜いた体 なでしこ
サッカー女子には、バックアップメンバーを含めてJFAアカデミー福島出身の選手7人が名を連ねた。注目は代表最年少18歳のDF古賀塔子(フェイエノールト)だ。海外で鍛えた体の強さと冷静な判断力を武器に決戦の舞台に立つ。
日本は1次リーグC組初戦で、東京五輪を制した世界ランキング1位のスペインと対戦する。同9位のブラジル、同36位のナイジェリアと同組で、決勝トーナメントを優位に進めるためにも上位で1次リーグを突破したいところだ。
古賀は「五輪は小さな頃から目標にしていた場所。自分の特徴を出せるように頑張りたい」と意気込む。19歳のMF谷川萌々子(ローセンゴード)とともに、10代の若きなでしこが、ロンドン五輪以来のメダル獲得を引き寄せる。