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福島レッドホープス有終、響いた岩村コール「皆さんの前で野球でき幸せ」

09/01 08:50

ホーム最終戦を勝利で飾り、選手から胴上げされる岩村監督

 今季ホーム最終戦をサヨナラ勝ちで飾った。31日に本宮市のしらさわグリーンパーク球場で行われた、プロ野球ルートインBCリーグの福島レッドホープス―栃木ゴールデンブレーブス戦。今季で退任する岩村明憲監督(45)はホーム最後の采配を劇的な勝利で終え「初年度からのファンやOBもたくさん足を運んでくれた。歓声は励みになった」と感謝を伝えた。

 「背番号1がここまで似合う人はいない」。福島レッドホープス私設応援団の飯村信史総長(58)は、指揮官の退任を惜しんだ。スタンドには600人を超える観客が詰めかけ、勝利を信じて声援を送った。

 試合は3―3のまま九回で決着がつかず、無死二塁から始まる延長十回タイブレークに突入した。1点を追いかける十回裏無死一、三塁。岩村監督は保科圭伸選手(25)を代打に送った。保科選手の二ゴロの間に一塁走者が二塁に進み、続く三沢大成選手(22)の2点適時打につながった。「三振が一番怖い場面だった。保科が走者を進めなければサヨナラにつながらなかった」と岩村監督。三沢選手は「監督から勝ちにつなげられるように指導していただいた。結果が出て良かった」と感謝した。

 岩村監督は2015年に選手兼監督として福島に加入し、本県の地域球団の創成期を支えた。「ミスターホープスで、東日本大震災で落ち込んだ福島の子どもたちをプレーで元気づかせてくれた」と飯村総長。選手OBで外野手として活躍した野原仁士さん(31)は「監督はいつも『責任は持つ。堂々とプレーをしてこい』と送り出してくれた。ユニホームを脱ぐことに寂しさはあるが、最後の雄姿を見ることができて良かった」と感慨深げに話した。

 岩村監督は試合中、熱心に選手に守備位置を指示したり、攻撃時には一塁コーチャーズボックスに立ってサインを送ったりした。来季は経営者の立場から球団運営に携わる。「皆さんの前で野球ができたことは幸せだった。引き続き、愛情のある叱咤(しった)激励を送ってほしい」。試合後、岩村監督はそう言って岩村コールに応えた。(斎藤優樹)

 岩村監督の歩み

 愛媛県宇和島市出身。1996年にドラフト2位でプロ野球ヤクルトに入団。2007年に米大リーグに挑戦し、レイズで活躍。06、09年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本の連覇に貢献した。11年に国内復帰し、楽天とヤクルトでプレーした。15年に選手兼監督として福島に加入し、18年からは監督に専念。18年まで4季連続でプレーオフ・地区チャンピオンシップ進出に導いた。

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