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「智恵子に親しみを」 高村夫妻結婚110周年、顕彰会が学校に絵本寄贈へ

09/16 10:35

「二本松の子どもたちに美と愛を貫いた智恵子への親しみと理解を深めるきっかけになれば」と期待を寄せる熊谷さん

 「智恵子抄」で知られる福島県二本松市出身の洋画家・紙絵作家高村智恵子と夫の詩人・彫刻家光太郎を顕彰する同市の「智恵子のまち夢くらぶ―高村智恵子顕彰会」は12月、高村夫妻の結婚110周年などを記念し、智恵子の生涯を描いた絵本を智恵子の母校油井小をはじめ同市の全23小中学校と4地区の図書館、図書室に寄贈する。代表の熊谷健一さんは「絵本が二本松の次世代を担う子どもたちに美と愛を貫いた智恵子への親しみと理解を深めるきっかけにしたい」と期待を寄せている。

 贈呈は結婚110周年のほか、「僕の前に道はない 僕の後ろに道はできる」でおなじみの光太郎の詩集「道程」出版110周年、同くらぶ発会20周年の節目を祝って実施する。

 贈呈する絵本は、同くらぶと親交のある作家で画家、智恵子研究者坂本富江さん(東京都)が制作した紙芝居「夢を描くひと―高村智恵子」を今回の贈呈に合わせ、坂本さんが一部手直しして絵本化したもの。

 同団体は2005年に設立、智恵子講座などを通じて智恵子と光太郎の世界を研究している。贈呈式は12月15日に二本松市で開かれる「発会20年を祝うつどい」の席上、実施する。

 同団体は本年、各種記念事業として今月16日、安達太良山の“ほんとの空の下”で智恵子抄朗読大会の開催などを予定している。

 熊谷さんは「絵本を通して波瀾(はらん)万丈の生涯を生き抜いた高村夫妻の遺徳を後世に伝承するとともに、子どもたちに今後、さらに濃密、充実した人生を歩んでもらえる生きた教材として活用してほしい」と贈呈を心待ちにしている。

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