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「パンとケーキ市川」88年の歴史に幕 いわき市民ら閉店惜しむ

09/30 08:30

専務の市川祐三さん

 「市川パン」の愛称で親しまれる、いわき市の老舗パン店「パンとケーキ市川」が30日、88年の歴史に幕を閉じる。専務の市川祐三さん(60)は「長年、うちのパンを愛してくれて、ありがとうという気持ちで最後まで営業したい」と話す。

 創業は1935年。創業者の市川祐男さん=白河市出身=が、炭鉱業で活気にあふれていた、いわき駅前に店を構えた。目玉商品「デンマークパン」をはじめ、親しみやすい味わいのパンが幅広い世代の心をつかみ、本店のほか、市役所や平地区を中心とした高校での訪問販売も担った。祐三さんは「喜んでもらえるよう、心を込めてパン作りした」と振り返る。

 訪問販売先が減少したことや大型機械が交換時期を迎えたことに加え、原材料費の高騰などから閉店を決めた。現在、閉店を惜しむ市民らが開店前から行列を作る。祐三さんは「予約注文も大量に入っており、とても忙しい状態。うれしい悲鳴」と感謝を口にした。

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