衆院選福島3区に無所属で立候補を予定していた前職菅家一郎氏(69)=4期=が12日、一転して不出馬を表明した。15日の公示まで残すところわずか3日。菅家氏の支援者や選対関係者には驚きが広がり、不出馬の再考を求める声も上がった。
会津若松市で12日に非公開で開かれた、支援者や選対関係者を集めた会合。菅家氏が不出馬の意思を伝えると、出席者からは「負けてもいいから戦うべきだ」「(裏金問題の)けじめは選挙でつけるべきだ」といった声が相次いだ。
菅家氏は、自民党からの非公認が決まった9日に無所属での出馬を表明したばかり。支援者も選挙戦に向け、準備を本格化させた矢先だっただけに、出馬を求める声が多く上がったという。午後に始まった会合では、菅家氏らが党県連幹部と別室で話し合う場面もあり、予定時間を1時間以上過ぎてようやく終了。直後の記者会見で不出馬を明らかにした。会合で出馬を求めている声が出たことに、庄條徳一連合後援会長は「いろいろな思いがあると思う。そういった声が出るのは仕方ない」と語った。
菅家氏を全面支援してきた党県連は今後、後任を早急に選定する考え。会合後に報道陣の取材に応じた矢吹貢一県連幹事長は「(福島3区を)不戦敗にすることはできない。候補者の選定に入りたい」と語った。すでに党内の公認手続きは終了しており、候補者を擁立できても無所属での立候補となる見通しだという。
一方、党内からは公示が迫った時点での表明に「タイミングが悪すぎる。もっと早く決断できなかったのか」と批判の声も上がっている。