第50回衆院選は15日、公示される。区割り変更後初めての選挙戦に突入する県内4小選挙区には、自民党が前職1人と新人2人、立憲民主党が前職3人と新人1人、共産党が新人3人を擁立する。自民は無所属で出馬する前職1人も支援する方針だ。諸派新人1人を加えた立候補者は計12人となる予定で、5選挙区で行われた前回衆院選の10人を2人上回る見通しだ。投票は27日に行われ、即日開票される。
福島3区を除く3選挙区は自民と立民の「与野党対決」が軸になりそう。3区も自民県連が支援する無所属前職と立民前職が中心の事実上の「与野党対決」だ。自民党派閥裏金事件を受けた政治改革や経済対策などが争点となるほか、第2期復興・創生期間後の本県復興の在り方や人口減対策、地方創生などについても論戦が交わされそうだ。
自民は、石破茂首相が公示日に本県入りし、いわき市で第一声を行う。9月の総裁選後にベテランの不出場表明が相次ぎ、候補者の世代交代も進む形となった。矢吹貢一県連幹事長は「自民党が変わったと言われるよう選挙戦で訴えていく」と話す。
立民は、政権交代を見据えて比例代表を含む計5議席確保を目標に掲げる。前回実現した共産との候補者一本化は実現しなかったものの、宮下雅志県連幹事長は「政治とカネの問題に決着をつけて政治改革を進めるため、全員当選を目指す」と語る。
3選挙区に新人を擁立した共産党県委員会の町田和史委員長は「政権は失速しており頑張り次第で好機にできる。国民とともに戦う」と意気込む。
前回自民で当選した前職が福島3区に無所属で立候補することを表明、県内の構図は13日にほぼ固まった。3区は旧4区が地盤の立民前職と旧3区を拠点とした無所属前職が軸。無所属前職は自民県連の支援を受けており、立民前職は戦略の練り直しを迫られそうだ。共産も新人を擁立する。
福島1区は、立民と自民の前職同士による4度目の対決で、県内で唯一の与野党一騎打ちとなる見込み。福島2区は立民前職と自民新人の2人を軸に、共産新人と諸派新人を含め県内最多の4人が立候補を予定する。福島4区は自民、立民、共産がそれぞれ新人を擁立しており、有権者の動向が注目される。